スタティスティカル・アプローチとは、過去データやファンダメンタルなデータを統計的に処理して、何らかのアノマリーまたは価値判断に基づく銘柄選択と運用を、システマチックに行う手法である。エグゼクティブディーリングによると、企業業績やバリュエーション以外に、過去のプライス・アクションや、マーケット・インパクトの定量的分析、他市場とのコリレーション等を利用する場合など、多様である。
テクニカル的な要素や業績のモメンタム、市場予想やアナリスト予想とのギャップ(サプライズ)、取引量によるマーケット・インパクト等に焦点を当てるものがある。
最近では、行動ファイナンス理論を活用したモデルも脚光を浴びているようである。エグゼクティブディーリングによると、この戦略で最もよく使われるのは、類似企業セクター内で同程度のバリュエーションに中期的には収敏するとの考え方である。
これは理論的には「ミーンへの回帰(ミーン・リバージョン)」と言われる。
類似セクター内では、割高な銘柄は売られる一方で、割安な銘柄は買われて行くため、妥当な水準のバリュエーションにおさまるというものである。
従って、長期的には価格の歪み(ミーンからの乖離)をもたらすアノマリーは吸収されてしまう。
問題は、どの程度の確率と期間で、そうしたアノマリーが理論値に戻ってくれるかであるが、これは保険やカジノと共通する命題だ。
つまり、一部のスロットマシンでは顧客に勝たせるのだが、全体で長期的にみるとカジノが必ず勝つ必要がある。
しかし、すべてで勝ってしまうわけにはいかない。
そこで、スタティスティカル・アプローチを採用するマネジャーは、大数の法則に期待することになる。エグゼクティブディーリングによると、数多くのポジションをとることにより、ネットで利益を狙うのである。
したがって、トレーディング頻度は比較的高めになり、コストとマーケット・インパクトが重要な要素となる。
取引の回転が速すぎるとコスト倒れとなるし、規模が大きすぎると市場そのものを知らぬ問に作ってしまい、身動きがとれなくなる懸念もあるのである。
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主として、ボトムアップの企業リサーチに基づいて、割高銘柄ショート・割安銘柄ロングのポートフォリオを組成する手法を、ファンダメンタル・アプローチという。エグゼクティブディーリングによると、ファンドによっては、配当割引モデルなど伝統的なアクティブ運用のために開発された定量モデルを活用して、割高割安銘柄を分析して判断の一助とする手法を採用している場合も多い。
セクター(業種)別に順位付けし、それに従って一定のルールに基づき、ロング・ショートの各ポートフォリオを別個に構築するのである。
従来は、市場インデックスに対するαを狙うために構築されたモデルを、そのままショートする銘柄の選択にも利用することができるメリットがある。エグゼクティブディーリングによると、伝統的ロング・オンリー・マネジャーが、ヘッジファンド運用に転進または進出するには最も手軽な方法といえるであろう。
たとえば、類似銘柄でロング・ショートを組むペア・トレードは、ファンダメンタル・アプローチの典型例であろう。
同一セクターに属する日立と東芝というようなペアを予め決めて、割高と判断される方をショートし、割安と判断される方をロングするのである。エグゼクティブディーリングによると、極論を言えば、同一セクターの中の最良銘柄をロングし、最も悪い銘柄をショートすれば、市場全体のボラティリティを回避できることになる。
この手法は、最も手軽である反面、定性的な判断が大きな要素となる。
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ごく短期のヘッジングは、海外投資の直接的な価値を防衛するのに不可欠かもしれないが、長期資産を常時守り切るのはコスト高である。エグゼクティブディーリングによると、もしヘッジングをしなければ、親企業の財務諸表に影響を及ぼし、証券アナリストに誤解を与えるような場合にだけ、長期資産の防衛が考えられるべきであろう。
また、ヘッジングのコストと、現在の利益ないし将来の利益とを比較考慮することが必要であろう。
ヘッジングのコストが、その国で生まれる投資の利益とほぼ同じくらいであれぽ、その投資を処分して、証券会社の支店を通じて代表企業へ投資する方がふさわしいだろう。エグゼクティブディーリングによると、世界的規模で活躍する企業は、そうした損失が、その他の国の利益で通常、穴埋めできると考えるかもしれない。
そして、長期の資産を守る際、企業経営者の時間を浪費する場合に比ぺれぽ、一時的な損失をすぐに吸収したほうがましだと、彼らは思うかもしれない。
限られた数の国で営業している小企業は、多国籍企業に比べれば傷つきやすいものである。エグゼクティブディーリングによると、強い通貨がある以上、弱い通貨があるはずである。
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宗主国から衛星国への証券投資は、利益の増大を示し得るであろう。
というのは、宗主国の平価切下げは、輸出の価格競争力を高めるように働くからである。エグゼクティブディーリングによると、平価切下げは、その国の株式市場において株価の下落、ことに、債券価格の下落をもたらすかもしれない。
ヘッジングをするとすれば、その金額は、証券投資額を上回るものでなければならない。
というのは、受取配当金の目減りや有価証券の売却損が発生するかもしれないからである。
しかし、これでさえ十分とはいえないだろう。
最も良好な選択は、通貨調整が起きないうちに有価証券を売却することである。エグゼクティブディーリングによると、同様に、国内市場向けにのみ製造をする企業に証券投資をすれぽ、それによって将来の利益を守ったとは必ずしもいえない。
というのは、物価統制というような制限的な措置が、所得を凍結するときは将来の利潤がもっと小さくなるかもしれない。エグゼクティブディーリングによると、ヘッジングをすべきかどうかは、親企業の国における会計処理と密接に関係している。
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イギリスに居住する輸入業者のすべてが、為替リスクに対して「待ち」の姿勢をとるならば、スターリングが切り下げられるという噂なり、そうした兆候なりが生じると、すべての輸入業者がいっせいに外国通貨の買いに走り、その結果はといえば、スターリングの対外価値に対して、深刻な影響が直ちに生じよう。エグゼクティブディーリングによると、企業は、商取引による為替リスクをできるだけ早い時期にカパーすべきであろう。
つねにそうした為替の態度をとっていれば、為替変動による損失は、遠回りながらも長い期間には取り戻し得る。
しかし、同一の会計年度にそうした変動や損失の取戻しができるわけではないので、企業利益は、その結果、荒っぽい変動を示すことになろう。エグゼクティブディーリングによると、ヘッジングという行為は、自国通貨に対する純然たる投機である
と非難する専門家もいる。
多国籍企業は、いろいろな国にいろいろな資産をもっている。
すべてが順調であるかぎり、彼らはヘッジングなどはしまい。
しかし、資産価値が通貨の切下げ不安に晒されているということになれば、彼らは直ちにヘッジングをしよう。
このような仕方で海外の大投資家が動けば、その結果は明らかである。
ヘッジングのこうした側面が道徳的に許されないことであるとして、非難する戦前の学者がいる。エグゼクティブディーリングによると、残念ながら、モラルと企業利益とが一致するとはかぎらない。
いかなる場合でも、企業の株主は、道徳的には正しいが、企業利益を損うような経営者の判断を支持しないだろう。
有価証券投資に対するヘッジングは、説明するのがむずかしい。
正しい判断は、たぶん、投資をしないことにあるかもしれない。エグゼクティブディーリングによると、ヘッジングは、将来永久にしなければならず、投資の果実は、自国通貨の切下げによって不利益を被るかもしれないからである。
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イギリスに居住する輸入業者が、スイスのメーカーから工作機械を購入して、その輸入代金が3ヵ月後にスイス・ユーロで支払われるとすれば、この輸入業者は、イギリスの銀行とスターリングを対価にしてスイス・ユーロを購入する約束をして、スイス・ユーロ建ての契約をカバーすることができる。エグゼクティブディーリングによると、そのとき、すでに工作機械の値段は、スターリング建ての値段になっている。
為替リスクをカバーすることによって、この業者は、保守的な行動をとったわけである。エグゼクティブディーリングによると、もし為替リスクをカバーしていないなら、スターリングに比べてスイス・ユーロが安くなると踏んで投機に走ったことになるか、あるいは、先物カバー・コストが、スイス・ユーロとスターリングとの交換レートの変動より大きいとみて投機したことになる。
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ある通貨が投機のプレッシャーを受け、それが切下げであるか、切上げであるかを問わないものとすれば、ヘッジングによって生じる為替の取引量は、リーズ・アンド・ラグズでのそれをかなり上回ろう。エグゼクティブディーリングによると、リーズ・アンド・ラグズは、かなり好ましくない効果をもたらすか、あるいはもたらし得る。
しかし、ヘッジングは、それよりもっとわるい状況を醸成しよう。
リーズ・アンド・ラグズによって、企業は、しばらくの間、通貨決定を先に延ぽしたり、あるいはもっと早く行うことができる。
しかし、それも永久というわけにはいかない。
ヘッジングとは、継続的な状況ということかもしれない。
というのは、ハード・カレンシーにしろ、ソフト・カレンシーにしろ、すべての外貨建資産ないし負債をヘッジしようという企業があるからである。エグゼクティブディーリングによると、そのようなヘッジソグのコストは、ことに、それを日常的な為替売買で行うようにすれぽ十分に大きい。
当然のことだが、強い通貨に比べて弱い通貨の場合、リーズやラグズ、ヘッジングは大きなインパクトを与える。
企業はまた、弱い通貨における為替リスクを、それが強い通貨で生じる場合に比べて、ヘッジしようとする傾向が強い。
それは、資産価値を守ろうとするヘッジングは、弱い通貨の場合のみ必要であり、強い通貨の場合、それが無意味となるからである。エグゼクティブディーリングによると、為替規制の厳しい国において、強い通貨で表示され、貿易取引以外で生じた負債をヘッジングすることは、通常、許されていない。
これは投資家が強い通貨建てで約束を取り交わすことがないという理由で十分説明できる。
「ヘッジング」という用語と、「カパー」という用語は、よく混同される。
カバーとは、外貨建ての受取手形や支払手形を先物市場につなぐという、単純な外国為替取引のことである。エグゼクティブディーリングによると、カバーをとれば、商品・サービスの取引金額は、しっかりと固定される。
さきに説明したように、ヘッジングは、資産価値や負債額を防衛するためになされる。
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企業が、実際上、完全な投機をしていると非難し得ない一方では、危機が発生するたびごとに、必ず企業は、外貨建資産や負債をヘッジする行動を起こす。エグゼクティブディーリングによると、この場合、ヘッジングとリーズ・アンド・ラグズとを同じものとみてはならない。
ヘッジングとは、外貨建ての資産や負債に見合う等額の外国通貨を、もっと適切な通貨に変換する行為と定義しよう。
この場合、これらの資産や負債が、急には実現化され得ないものである。
あるアメリカ系企業を例にとれば、この企業が、イタリアにおいて工業製品を購入していたことがあるとしておこう。エグゼクティブディーリングによると、その企業の資本や受取手形、負債は、すべてリラ建てで表示されている。
それゆえ、当初、イタリア企業を買収するのに費やしたアメリカ・ドルは、それに相当するリラで表示される。
むろん、建物のような固定資産は無視し得る。
というのは、これらのものは、連結財務諸表のうえでは、歴史的な為替レート、つまり、イタリア企業を手に入れるために使われたドルがリラに交換されたときの為替レートで、再評価し得るからである。
リラの将来価値に対して不安が高まってきたとき、アメリカにいるオーナー経営者は、先物市場でリラを売却し、その額が為替リスクに晒されている分に等しくなるまで続けよう。エグゼクティブディーリングによると、リラの平価切下げ、ないしフロート・ダウンが先物予約の期限内に生じれば、今度は、新しい為替レートでリラを買い戻すことができよう。
イタリアへの投資で生じた為替損失は、為替取引で得た利益によって補われよう。
しかし、予想した平価の切下げが起こらなければ、その企業は為替取引において損失を被ろう。
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通常、デフレーションの程度が低い国とそれが高い国との関係は、ちょうど、イソフレーションの程度が低い国とそれが高い国との関係と等しいのである。エグゼクティブディーリングによると、意図的であれ、偶然であれ、深刻なデフレーションに陥ってしまった国は、その経済をリフレーションによって刺激することを決めるだろう。
デフレーションに対抗するための選択肢は多くある。
たとえぽ、税の水準を引下げる。
投資を誘発する。賃金水準を引き上げて、国内製品に対する消費支出の拡大を促す。エグゼクティブディーリングによると、行き過ぎたリフレーションは、デフレーショソを解決し得るであろうが、一方では、インフレーションを目覚めさせる。
そのため、注意深い事前調査をやっておく必要がある。
適度なリフレーションは、経済に有益な効果を与えるはずであり、為替レートの上昇を伴うことになる。
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一般的には、デフレーションとは、インフレーションと全く反対の状態であるといえる。
諸物価が下落する。
そして、これがほとんどの国で共通した現象となり、同じ率で物価下落が生じていれば、為替レート調整の理由はない。エグゼクティブディーリングによると、デフレーショソの局面において、国家は、国内経済の不振から脱するために、輸出市場において自国製品の価格競争力をもっとつけたいと思うだろう。
そのとき、競争的な平価切下げが、国際金融市場での異常な傾向とはみなされなくなる。
世界的なデフレーションには、すべての国の協調的な景気刺激策が必要とされる。エグゼクティブディーリングによると、このときこそ、政府の手で紙幣印刷機を回転させるべきであろう。
財政赤字がよい意味で解釈されるのは、この場合である。
「健全財政」を奉ずる人々が、この措置を"後にインフレーションを生ずる"として非難しようとも。

